資格マニア

私も社会に出て働き始めてかれこれ25年以上になりますが、その間、我が会社にも沢山の転職者が入社してきたものです。

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皆、一応人事部長、そして役員と厳正なる面接試験を経て入社しているわけですが、本当に色んな人に出会う訳です。

中には入社後良くも悪くも「おやおや?」という方もいました。
あっ、でも私も何度か一次面接に立ち会った事がありますが、いや~人間、たった一回や二回の面接位じゃその人の本当の姿なんてわからないものだとは理解しています。
 という事で、沢山の転職者の中から個人的に特に印象に残った人を書いてみたいと思います。

 まずはAさん男性。入社当時は39歳位だったでしょうか。彼の一番の特徴はとにかく資格取得マニアだという事です。それは本当に幅広く、様々なジャンルに及んでいました。
例えば彼は会社ではバックオフィスの経理部門の仕事を担当していましたが、日商簿記2級は勿論、FP技能士、宅地建物取引士、電気主任技術者、マイクロソフトオフィススペシャリスト、そして何故かアロマテラピー検定、小型船舶操縦士などなど、私が知っているものだけでも数えきれない程の資格を持っていました。特にガソリンスタンドでは必須資格となる危険物取扱者においては、丙種は勿論、乙種の第1~6種全てを順番に取得していた程です。

ご本人もハッキリ「自分は資格マニア」と言っておられましたが、とにかくありとあらゆる資格を取得することが趣味との事で、たまに私が業務上、机でアルバイトの履歴書を見ていると、通りすがりに資格欄を覗き込み、「あっ、〇〇の資格を持ってる!悔しい、次はこれを取ろう!」と良くわからない熱量で対抗心を燃やす位でした。
でもこれは本当にいい趣味ですよね。様々なジャンルを勉強する事で自分の知識も広がりますし、又実際に資格を取れば履歴書に書く事が出来るので、転職活動の際にも非常に有利にもなります。この時代に普通自動車免許しか持っていない私からすれば、素直に凄いな、エライなと感心しておりました。

ただこれは本人から聞いた話しですが、彼は何回か転職をしているそうですが、宅地建物取引士を取得して暫くした後に、その時勤めていた会社を退職して転職活動をする際、雇用保険の失業給付金の申請をしに職安に出向いた所、担当者より「あなたの場合、給付金は受給出来ない」と言われたそうです。なぜなら宅地建物取引士の資格があれば自分で開業出来るので「失業」状態にならないハズだから、と。

それは確かにそうだけど…いや~厳しいですね。まぁ給付金を出す側からすれば「何のための資格なんじゃ。それを使えば仕事出来るでしょ」という事なんでしょうけど。なので時と場合によっては幾ら良い資格でも書かない方がいい時もあるって事ですね。

又、以前会社にいた人事担当の人からも、余りに沢山の資格を履歴書に記載すると、面接官に良い印象を持たれないとも聞いた事があります。必要な資格であって、それを仕事に生かしているのではなく、本当に単なる「資格マニア」だという事がわかってしまうから、と言っておりました。なるほどねぇ。

とはいえ、履歴書に書いたり書かなかったり選択は自分で出来るわけですから、色々な資格を持っているにこしたことはありませんよね。彼はその資格を武器に、それから5年後にやはり又転職の旅へと旅立って行きましたが。今はどうしているんでしょうか。。

友人が務めるティーネットジャパンという会社は技術者や有資格者が多い会社と聞いているので、Aさんのような沢山資格のある人だと生き生きと仕事ができるかもしれないと思いました。

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